まだ早朝と言える時間の学校。職員の先生も講師もほとんど来ていないから教室を使おうと思っても開いていないのだけれども、一年生の頃から定期的に通い続けた甲斐あってか清掃員のおじさん達と顔見知りになって用事があると分かると教室を開けてくれるんだ。だから今日も学内の何処からか聞こえてくる掃除機の音と共に実験をしようと思います。というのも昨夜見た夢の中で中平卓馬が出てきて話をし、不思議な写真の印刷方法について教わった。外では雪が深々と降り積もっていた。夢の中の中平卓馬はアルコール中毒で倒れた後のあの姿だった。直接会ったのはおろかそれこそ写真でしか見た事がなかったのに、夢というのは全く奇妙な世界であるよ。その教わったという印刷方法が現実世界で果たして実現可能か否かはこれからゆっくりと試行錯誤を重ねていくつもりで、多分何かしら出来ると思うんだよ。ただ教室の設備を壊す可能性が十二分にあるから、写真学科の誰かが来たら直ぐに謝れるように夜ではなく朝がいいと思った訳で。去年もたくさん壊しちゃったしなあ。いつかお金を沢山稼げたら返済しようと思っているのだけれども、まあおそらくそれは無理だから許して欲しい。無理なモノは無理なんだよ。ただその無理が「あ、出来るかも」に変わる場合もあるからその際にはやるしかないよね。うーん。後からこうやって思い出しながら描いてみると、難儀な性格だねえ。